人知れず隠れている宝を探しながら音楽の森を愉快に歩くメンバーは、演奏される機会の少ない日本人作曲家の作品を紹介することを活動の柱の一つにした芥川也寸志メモリアルオーケストラ・ニッポニカの団員です。故芥川也寸志から学んだ自国の作曲家の作品を大切にする姿勢を、この活動でも実現したいと取り組んでいます。またこの活動は、当初から奥平一オーケストラ・ニッポニカ運営顧問をはじめとする音楽仲間たちの励ましに支えられております。
河野 航(ピアノ)
5歳よりピアノを始めた(らしい)。飽きっぽい性格が災いし、引越しや進学のたびにピアノの勉強が中断され、おまけに中学校では吹奏楽部でテューバ、大学ではオーケストラに入ってヴィオラに気を散らす始末。ただし、テューバやヴィオラを勉強したおかげで、ピアノを弾くのにあたっても左手や中声を聴けるようになったという点もあるので、悪かったことばかりではないと都合よく解釈している。新交響楽団にヴィオラで入団した直後の演奏会で、伊福部先生の『シンフォニア・タプカーラ』に出会い、氏の作品に魅せられる。現在所属しているオーケストラ・ニッポニカではヴィオラを担当するが、ソリストとして迎えた三輪郁氏の演奏に魅了され、ピアノの勉強を再開、以来ピアノとヴィオラの二足のわらじを続けている。ピアノを鈴木和代、坪井圭子、近藤信子、柴沼尚子、故大島正泰、福本俊之、三輪郁の各氏に師事。
加藤 のぞみ(ヴァイオリン)
チェロに転向した従兄弟の代わりに3歳よりヴァイオリンを始め、『言葉を覚えるように』ヴァイオリンを『身につける』。初めての日本人作曲家の作品との出会いは、10歳のときの宮城道雄『春の海』。尺八の様な音を出すのだから、音の最初からヴィブラートをかけない、と教えられ、ノンヴィブラートの美しさを知る。新交響楽団に入団して『伊福部個展』で、ブラームスやマーラーとは全く違う交響楽の世界が在る事に衝撃を受ける。オーケストラ・ニッポニカで活動する中で、日本人作曲家にも多くの魅力的な室内楽曲があることを知り、この企画に取り組む。ヴァイオリンを故広瀬八朗、藤家桜子の各氏に、バロックヴァイオリンを若松夏美、竹嶋祐子の各氏に、室内楽を原田幸一郎、大西律子の各氏に師事。
由谷 一幾(打楽器)
音楽に興味を持つきっかけとなったのはゴジラとドラゴンクエストと昔懐かしいスーパーファミコンのマリオペイント。そして小5の時にストラヴィンスキーの「春の祭典」と運命的な出会いを果たし、すっかり音楽にのめりこんでしまった。中学の吹奏楽部で打楽器、高校では人数制限のため打楽器からはじき出されトロンボーンを担当し、大学の交響楽団で打楽器に復帰。オケ生活4年間の集大成としての1ヶ月に渡るヨーロッパ公演、最終公演地パリのシャンゼリゼ劇場でハルサイのティンパニを叩いた事は一生忘れられない。大学オケ卒団後は縁あってオーケストラ・ニッポニカへ。初の打楽器奏者だからと意気込みオークションで「ジャンク品」として買った旧ニッカン手締めティンパニの音が余りに魅力的で、最近はシンプルである事の素晴らしさが一大テーマとなっている。ティンパニ・打楽器を久保昌一氏に師事。[探楽愉快vol.2プログラムより]
吉松隆「プレイアデス舞曲集IIa Op.28a」(vol.2)、チェレプニン「ティンパニ・ソナチネ」(vol.4)に出演。